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読書の記録

永田宏「名医はご近所にいる」

名医はご近所にいる―「ありふれた病気」は「ありふれた病院」で診てもらおう名医はご近所にいる
永田 宏

ぶんか社 2006-06
asin:4821109107

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 副題「「ありふれた病気」は「ありふれた病院」で診てもらおう」。
 素人は些細なトラブルでも大病院に行きがちであるが、より柔軟な対応をしてくれる町医者のところへ行こうという啓蒙書。
 すでに複数の口コミサイトやタウンページを利用してきた自分にはあまり用事のない本であった。実は、タイトルや表紙イラストから、市井の隠れた名医列伝と私が勘違いしたというわけ。内容は病院のかかり方ガイドブックなのである。本当に名医がご近所にいるかどうかは、運次第だな。
 三人の架空の患者がかかりつけ医を見つけるまでのシミュレーションをしてみるなど手とり足とり懇切丁寧なので、近所の病院に行きたいんだけどなんにもわかんないや、という人には役立つだろう。
 私なんかから見ると、診療科の区分がそれアバウトに過ぎない?とか医師免許は「更新」じゃなくて現状報告の《届出》だよとか不正確な記述が気になったりもするけれど、前者は町医者ならばボーダーレスなところが多くて融通がきくし、後者はそれこそ患者の知ったことじゃないのでかまわないのだろう。
 個人的にはラストの医療費に関する部分が興味深かった。