東野圭吾「夜明けの街で」
夜明けの街で 東野 圭吾 角川書店 2007-07 asin:4048737880 Amazonで詳しく見る |
不倫なんて馬鹿だと思っていた男が、不倫の恋に堕ちた。その相手は時効を待つ女だった…不倫サスペンス。
登場人物が少ないので真相も予見出来るし、サスペンスとしては少々弱いか。それでも流暢にスイスイ読ませてしまうところが、さすがはベストセラー作家(そこしかほめどころがない!)。
善良で気の弱い男が不倫の恋にときめいたり、家庭にばれないかハラハラする描写がずるずると続く。恋愛ものかと思えばこのラスト、あり?なんて古風な女なんだ。この平成の世にカビがはえそうな堪え忍ぶ女って、ちょっとどうなのよ。この作家の作品にはありがちなことだが、どうも私には心情的に納得出来ない。
世の男性はこんな都合良くいいオンナと不倫出来るなんて考えない方がよいんじゃね、と思ったらラストに非常にありふれたリアルで陳腐な不倫小咄が。やるな。ぬかりなし。