読書日記PNU屋

読書の記録

川上弘美「夜の公園」

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リリ、幸夫、春名、暁の4人が織りなす恋模様。


ごめん、これ受け付けないわ、私。




読んで、しまった!と思ったのが本作、不倫ものであったこと…。
私に不倫小説は鬼門というか天敵なので、とても平常心では読めないし
バイアスがかかってしまうのである。
でもまあ読み始めてしまったので読む。


まずヒロインの一人、リリが全然好きになれない。
むしろ嫌い。
浮気した時点で彼女は専業主婦のようなのだが、金銭的に夫にたよりながら
若い恋人を作ってときめくなんて私の古い倫理観からいくと許し難い。
リリの夫もほめられた人間ではないが、働いてリリを養っていた分
オトナだと思われる。
春名もまた私と相容れない貞操観念の持ち主で、リリほどコドモじみては
いないがどこか欠落していて、異性に甘えているところはリリと変わらない。


不思議ちゃん(=リリ)と、キープ君を使い分ける女(=春名)は
文学的に流行りなのだろうか、
カワカミヒロミという作家の作品を読んでいたはずなのに、
江國香織森絵都の小説を読んでいるかのような錯覚を覚えてしまった。


苦手なモチーフとさっぱり感情移入出来ない登場人物のせいか、なんだか
全てがピンと来ないまま何となく終わったように思える。
しかし●削のバイトだけで生きていけるほど世の中甘くないと思うが…。


p.s.リリと春名ってのはさアレだね「GO-BANGs」の歌
[ガールフレンド]みたいなのね。