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読書の記録

鳥飼否宇「逆説探偵 13人の申し分なき重罪人」

オンライン書店ビーケーワン:逆説探偵2005.8双葉社\1,890

 
綾鹿市のヒラ刑事・五龍神田はホームレスのたっさん&じっとくから
推理のヒントを得る日々だった。ところが…。
 
「昆虫探偵」だとか「痙攣的」だとか、ややイロモノで奇天烈な作品を
ものすミステリー作家という印象を持っていたのだが、
本作は実に端正である。その趣はクラッシックと言ってもよいほどであり、
いつものように生物学ミステリーやトンデモミステリーを期待して読むと
驚くかもしれない。
 
13の謎のうちにはオチが推測可能なものも含まれているけれども、
個性的な主役および脇役陣が楽しませてくれるので、
結果が予測出来たとしても飽きさせないのだ。基本的にはマジメなのに、
おっちょこちょいで早とちりな五龍神田には、大いに同情する。
 
やや地味目な印象の本書だが、この著者らしいサプライズはきちんと
仕込まれているのでご安心を。

p.s.ホームレス探偵ということもあり、今年出たミステリーの
○藤○恵「××は×ン×で××する」とカブってしまったかな。オチまでも…。